2014年12月号に第1回の記事を掲載して以来、20回予定の最終回を迎えました。当初寄稿を依頼された時、20回も連載が可能かと、自分の年齢を考えますと確たる自信はありませんでした。お陰様で、何とか最後まで続けることができましたことを感謝しております。
当初から最後のテーマは「藤の使命」と考えていました。100周年を迎える「藤」、そしてその中での「310直播」は、次の100年をどのように歩む使命があるのか。最初の100年は土台を堅固に築く年月であったと言えます。次の100年は、その土台の上にどのように発展させていくことが使命なのか。
はからずも100年目を歩んでいる今年、私は「北海道功労賞」という北海道民として最高に誉れある賞を授与されました。この賞を私個人が受けるというのであれば固辞したかもしれませんが、これは決して私個人に対する賞ではなく、「藤」に関わる全ての人々、すなわち、労苦を共にしてくださった教職員たち、「藤」で学んで巣立って行った数多くの卒業生たち?卒園生たち、この大家族に対して与えられた栄誉であると考え、大変嬉しく喜んで戴くことにしました。この賞は以前「北海道開発功労賞」という名称でしたが、その第1回目にはSr.牧野キク、第3回目にはSr.クサヴェラ?レーメという、藤の創立以来の偉大な先達が受賞しています。そして56回目に不肖私にこの栄誉が与えられたことは、この100年を通じて「藤」の教育が一貫して高く評価されてきたことの証であると、素直に受け止めて感謝しております。そしてそれは、そこから巣立って行った卒業生たちに対する社会の評価であり、また、教育に携わったすべての方々に対する評価でしょう。
その意味で、次の100年も、創立者たちから連綿と受け継がれてきた「藤」の教育の深さ、つまり神の似姿である人間の尊厳を知って、その尊厳にふさわしく歩むことを中心に据え、更に新しい時代に求められる新しい視座に立つ教育を続けたいと思います。
現代は地球的な意識を持つことが必須となっています。物流や情報伝達や通信手段、交通手段など、あらゆることを通じて、世界がひとつにつながっていることを実感します。地球という全人類共通の家に暮らす私たちの意識を育て、世界の人々のウェルビーイングを求めなければ、紛争や戦争は絶えません。世界平和を希求する熱い意識を育て、さらに行動力のある羽ばたく女性たちを育てていくことが重要です。
次の100年に向かって、これからも力を合わせて歩んで参りましょう。