高校生の頃、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、短期間でしたが図書館が閉鎖されました。普段勉強したり、趣味や楽しみを広げたりするために利用していた日常の居場所がなくなり、とても苦しかったです。この期間に、心の底から「私の生活には、図書館が必要だ。自分の中で大事だと感じた場所で働けたら幸せだし、そもそも好きな場所について学ぶことって面白そう」と思ったのがきっかけです。
心も身体もできる限り健康を保ち、暮らしを豊かにしたいという思いが強くなり、大学では人間生活学科に進学しました。1年間学びを深める中で、生活を営むためには、自分の知らない情報を収集する力と、人とのコミュニケーションが大切であることに気づきました。図書館情報学課程で多くの資料やデータに触れて演習に取り組むことで、これらの力を高めることができると感じ、受講することを決めました。
図書館をはじめ、書籍や資料、インターネットなど多くの媒体から信頼のおける正しい知識や情報を有効に活用するため、またそれらを届けるために日々学びを深めています。
主に、膨大な量の資料やデータの分類?整理?提供、未来への知識や情報の伝達(アーカイブズ)などの工夫や課題について考えることが多いです。実際に図書館での職務経験のある先生方や、現場で今なお活躍されている職員の方から、図書館の歴史や施設、資料に対する基本的な考え方などを講義形式で学びます。
また、資料の分類、組織化、整理方法、情報検索にあたってのデータベースの作成と活用、多様なサービスの提供についてなどは、実践形式で課題に取り組みながら幅広く学べることが魅力です。
私は「生涯学習概論」という講義が好きでした。この講義では、図書館が生涯学習を支援する機関として、幼い頃から本や図書館に慣れ親しむことができる環境作りを行うことや、学校や地域等の他機関とも連携し、いつでも誰でも気軽に学習や情報検索をすることができる環境づくりを行うことが非常に大切であることを学びました。
また、もう一度受講したいと思うほど面白かったのは「図書館施設論」です。この講義の思い出は、北海道立図書館と石狩市民図書館の見学の機会があったことです。普段、図書館を利用する時にそこまで意識していなかった、図書館家具やサイン表示、展示の仕方に工夫がたくさんあることを実際の現場を見て学びました。北海道立図書館では、普段立ち入ることができない閉架書庫に入り、大昔の資料が綺麗に保存されているのを目にしました。あの時の感動は今でも深く残っています。
本の目録や日本十進分類法(※)について基礎的な知識を学んだことで、たくさんの蔵書の中から効率的に本を探せるようになりました。図書館に関わる実践的な学びを通して、情報を主体的に選択?収集?活用できる力が身に付いてきて、分からないことや好きなことを調べることが楽しいと感じるようになりました。
図書館情報学課程は附属課程なので必修ではなく、学部の勉強にプラスして履修します。サークル活動やアルバイト、趣味など学業以外にも大切な時間がある大学生活の中で、上手くバランスをとって資格取得を目標に学び続けることは、情報を取捨選択する力や考える力、計画実行力の成長にも繋がると思います。
※日本十進分類法…日本で使用されている図書分類法。
HTML(※)でwebページを作成することができるようになってきたので、自分の想いや考えを、手で触れられる形あるものだけでなく、インターネットや電子媒体を活用し、エッセーや日記、音声、イラスト、写真などの作品として記録していきたいです。
また、課程での学びを通じ、図書館員は資料の収集、組織化、保存だけでなく、資料にアクセスしやすい環境を整えることが大切だと気づきました。さらに、多くの利用者が図書館に足を運ぶ以外にも、電子書籍や宅配サービス、自動車文庫など、様々な利用方法があることを知ると、図書館を利用する幅が広がると感じました。これからは、図書館施設のサービスのあり方や空間構成(ゾーニング)について、利用者の視点、提供者の視点で研究していきたいです。
※「Hyper Text Markup Language」の略で、WEBページを作成するために作られた言語のこと。
分からないことを知って、見て、聞いて、感じて、考え続けた経験が、 日常にありふれた些細な出来事を乗り越えていく糧となり、自分を奮い立たせてくれるきっかけにもなると思います。310直播は自分の成長、心の豊かさに繋がるヒト?モノ?コトがたくさんあります!
(学年、掲載内容等は2023年11月取材当時)