「外国にルーツに持つ子どもたちの日本語支援を考える」をテーマに2025年度未来共創フォーラムが、11月2日(日)に本学北16条キャンパスにて開催されました。
3名のパネリストの方をお迎えし、日本語?日本文学科の副田教授の進行のもと、それぞれ「学校内での支援者」「学校外での支援者」「外国にルーツを持つ子どもの保護者」の立場から、話題提供をしていだきました。
最初に札幌子ども日本語クラブ代表の谷氏より、学校内での日本語支援の現状について、これまで出会ってきた子ども達の事例を交えたお話がありました。
日常会話ができても学習言語の習得が難しい子が多いことや、支援時間が足りていないという課題があることが話されました。
次にさっぽろ子ども多文化S-net代表の式部氏より、学校外での支援として行っているご自身の活動の紹介がありました。
外国にルーツを持つ子ども達同士、親同士がつながる場をつくり、複言語、複文化で生きることを当たり前と感じる場となること、その視点で私たちが関わることで多様性社会の土台作りにつながるなどのお話がありました。
最後に札幌子ども日本語クラブの会員であり、外国にルーツを持つ子どもの保護者でもある全氏からは、ご自身がこれまで日本やアメリカで暮らしてきた中で感じたことや、2人のお子さん達の様子、また、「子どものIdentityは親とは違う」ことへの気づきなどが語られました。
これまでのご経験から、接する相手全員に対して不快を感じさせない態度ととることは不可能だが、「悪気がない」ことは相手に伝わるため、人と人が不完全でも修復可能な関係性を作っていくことが大切なのではないかと話されていたことが印象的でした。
後半では、休憩時間中にフロアからいただいた質問をもとに質疑応答の時間を設けました。フロアからは本当にたくさんの質問をいただき、すべてにお答えすることはできませんでしたが、会場全体で「外国にルーツを持つ子どもたちの支援」について、様々な角度から考えることができたフォーラムとなりました。
当日は三連休の中日にも関わらず、多くの方にご参加いただきました。
参加者からは、「登壇者の3名が、それぞれ違った方面からの活動を報告してくださったことで、外国にルーツを持つ子どもたちを取り巻く環境、問題についてより広く認識できたと思います。」「それぞれの方のお話が繋がり、今後へ向けた提案もあり、とても考えられた企画だと思いました。特に保護者の方のお話は、お子さんの話も含めて、とても貴重なお話だったと思います。」などの感想が寄せられました。